自由であればやりたいことができるとは限らない

生徒や友人に「梅田塾は作らないの?」とよく聞かれますが、作らないです。

自分1人で全部やりたいように自由にやれれば、本当にやりたいことができると思いきや、
むしろやりたいことができないんです。
自分の能力ではできないこともたくさん出てくる。

例えば、「経営」がしたくないし、できないです。

価格をどうするのか。
校舎をどこに出すのか。
生徒数をどうやって増やすのか。
コストをどう減らすのか。
人材をどう確保するのか。

考えたくないです。
ですのでここら辺にはあまり触れないようにしています。

もちろんこれらは大切なことであるということは承知しています。
私も昔は大手塾で社員をやっており、営業や校舎運営もさんざんやりましたから。

でも、自分がどうしてもやりたい教育を突き通そうとすると、必ずぶつかります。
うまく「経営」しようとすると、「教育」で妥協をしなければいけないところがでてきます。

私は「教育」で妥協したくないです。
それを考えている時が1番幸せですから。

私教育は難しいです。「教育」でありながら利潤追求をせねばならないので。
だから1人でそれをしようとするととんでもないことになります。
人格が分裂するのではないかって思います。

だから、それぞれ違った思いや志を持った人達が集まり、ぶつかりつつも柔軟性を保ち、
より良いものを創っていく方が自分1人より、自由に本当にしたいことができると実感しました。

栗山民也氏の著書『演出家の仕事』で以下のような一節がありました。

「アンサンブルとは、調和した声の集合でも、人物たちの行動線がうまくなめらかに流れていることでもありません。
それぞれ違った歴史を背負い、それぞれ違った状況にある人たちが、その場でぶつかり引き裂かれた瞬間に起こる、
外側へ限りなく放射する力の集合、それこそ演劇のアンサンブルだと思うのです。」

このアンサンブルこそが、「やりたい」ことを「できる」に変えていく鍵なんじゃないかなって最近思います。

自分に「やさしい」個人の世界に閉じこもるのではなく、
色々な人と様々な場でこのアンサンブルを築くことで、自己の夢を実現し、社会に貢献していければと思います。

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