加藤尚樹
ラドバウド大学(オランダ)

(1)「普通」を教えない

梅田先生の授業では、「普通」という言葉は厳禁です。
まず、「普通」とは何か?
すべての事象に当てはまる普遍的なもの。果たしてすべての事象に当てはまるものなんてあるのでしょうか?

最初の授業でこのようなことを考えさせられ、とても戸惑ったことを覚えています。
今では、これは「固定概念に左右されることなく考えて行動しろ」というように解釈をしていますが、当時は衝撃でした。
この人は他の先生とは違うということを最初の授業で感じた私は、授業を取ることに決めました。

常に、「『普通』という概念はもう無い」ということを生徒に伝えることで、生徒の可能性を最大限に広げているのだと思います。
今まで考えなかったことへの挑戦をする後押しになるため、生徒の殻を破るのをサポートするため。
こういったことを私は感じていました。

(2) 海外大学進学の提案

生徒の殻を破ることを推進していた梅田先生は自分にも影響を与えます。
当時、周りの環境に流されがちな学生だった私でしたが、英語を使ってのコミュニケーションへの熱意は誰にも負けませんでした。
2度の短期留学の中で世界中の人間とコミュニケーションを取ることができる嬉しさに感動を覚えていました。
先生との個別面談でこのような趣旨を伝え、大学ではマーケティングを学びたいということも伝えました。
すると先生は「海外の大学を受験したらどうか」と提案をしてきました。
当時は大学中に交換留学できたらいいなと考えていた自分には衝撃的な提案でした。

しかし梅田先生は海外進学のためのエージェントや、日本国内にあるアメリカの州立大学も紹介してくれました
そして自分で調べたりしていると、アメリカで学びたいという意欲が湧き、その2年後には現にアメリカの大学へ進学している自分がいました。

なかなか大学受験指導をしている日本の先生で海外進学を勧める人はいないと思います。
でも、先生は自分が自分の殻を破るサポートをしてくれたのだと思います。
その時に教わった自分の殻を破る意識というものは現在にも通じるものがあり、2017年秋からオランダの大学へ編入をします。
これは高校生の時に梅田先生に会っていなければ見ることのできなかった世界だと思っています。

(3) 学びの場と学生の仲介者

教師といえば生徒へ直接知識を提供する存在だと思われています。
しかし、梅田先生は違うという印象を持っていました。
梅田先生はどちらかというと学びの場から学びを得るためのツールを教えてくれる仲介者ではないかと思っています。

例えば、先生は生徒に対し、「固定概念をなくす」ということ以外に、自分と違うものとの『共存』の大切さを説いていました。
詳しくは先生の授業を受けてもらうと分かりますが、これからの時代何か好きなことだったり得意なことを見つけ、ほかの人には負けない「個性」を創り上げる大切さを常々話してらっしゃいましたが、先生はそれだけにとどまりません。
一つの分野に秀でるようになるだけではなく、常に周りの違う分野の人間と対話をし、ぶつかり合うことで生存していく力を養うことができると授業を通して気づかされます。

この考えをもとに、先生は授業の中で生徒に“グループディスカッション”をさせます。(次の項目で詳しく話します)
この”グループディスカッション“という多くの学びが生まれる場から、生徒が実際に学びを得るために必要なツールが『共存』の意識。
自分の意見をただ突き通すだけでなく、「彼らと対話していくことで共に良いものを創造していく」という意識を持つことにより、良いものにたどりつけるのではないでしょうか。
この意識を梅田先生は授業の中で我々学生に伝えてくれます。

(4)グループディスカッション

当時は「座学」が当たり前という風に考えていた自分には衝撃的でした。
先生の授業の中では1度は他の生徒と話し合いをします
最初の方はもちろん戸惑いましたが、回を重ねていくうちに、グループの中での自分や周りの生徒がどのような役回りをしているのかがわかります。

他の生徒の役回りや意見を観察し、自分が次のディスカッションに活かせることはないかと考え参加をしていました。
これは『共存』の意識があり、周りをよく観察していたからだと思います。
この意識は高校を卒業してからも十分通用します。

自分は海外の大学に通っているため、多くの価値観を持った学生と話をし、ディスカッションをする機会がありますが、その中でも、当時と変わらない姿勢で自分の役回りを理解し周りから吸収する『共存』の意識を持つことで様々な学びを得て自分の価値観の幅を広げています。