大町菜々美 慶應義塾大学【文学部】

「確固たる個を確立し、大事にしてほしい」

高校2年生の春、なんとなく受けた梅田先生の授業にとても衝撃を受けたのを私は今でも覚えています。
授業冒頭に「将来自分が本当にやりたいことは何か、夢のために大学受験をする必要はあるのか」と問われたからです。

ただ漠然と大学受験をしようと思い意味も分からず机に座っていた私にとって、その言葉は自分のこれまでの考えを大きく変えるものとなりました。
受験は合格する事が目標なのではなく、夢を実現させるための手段に過ぎないということ。
確固たる個を確立し、大事にする人になって欲しいということ。
この2つの言葉が私の受験生活において大きな指針となり、支えとなっていました。

暗記を最大限に減らしたプロセス重視の勉強法

梅田先生の授業を受ける前まで、私は全ての科目を何となくこれだろうなぁと言うように感覚で解いていました。
特に決まった解き方も無かったため、模試の成績は毎回安定しませんでした。
要は、勉強の仕方が分からなかったのです。
成績は特別悪くは無かったのですが自分に合った勉強方法を見つける事が出来ていませんでした。

そんな時、たまたま梅田先生の英語の授業を受けました。
暗記を最大限に減らしたプロセス重視の勉強法を教えて下さったり、1人1人に合った参考書の提案をして下さったりと確実にこれまでに習ってきた先生とは何か違うぞと思いました。
そして何より受験のための授業ではなく、常にその先を見据えた授業をして下さいました。
それが授業内でのグループワークの時間です。
私は、先生が「大学受験の難解な英文はただ英文が読めるだけでは解けない、もはや英語ではない。」と仰っていたのを覚えていますが、この授業を受けてまさにその通りだと思いました。
文章を理解するためには背景知識の理解が重要ですし、その文章が伝えたいテーマの核心に迫る力が必要です。
ただ先生の講義を聞くというような一方向的なものではなく、梅田先生が私たちに課す問題に基づいて、生徒同士が徹底的に議論しあい、英文の内容をとことん突き詰めることでそれらの力を身につけることができたように感じます。

同時に、ディスカッションを通じて様々な人と意見を交わすことが出来、自発性や発言力、思考力を身につけることが出来たと思います。
梅田先生の授業で私は成績面だけでなく人間性の部分でも成長することが出来たと実感しました。

AO入試の小論文対策も

このような授業は英語だけにはとどまりません。それが小論文の授業です。
私は一般入試の勉強と並行してAO入試の対策も行なっていました。
AO入試では、本試験は小論文のみで判定されることが多いため、小論文の対策が必要でした。
先生の授業を受ける前まで私は英語と同様にどのように勉強したら良いか分からなかったどころか、そもそも小論文とは何なのかよく分かっていませんでした。
しかし、実際に小論文の授業を受けてみると、基本的な小論文の書き方や小論文を書くために必要な知識などが英語と同じだということに気づきました。
英語も小論文も解くために必要な力は同じなのです。
だからこそ、梅田先生の英語と小論文の授業で身につけた力は、これらの科目のみならず、どの科目にも応用を利かせることが出来ました。
実際私が受験したAO入試の小論文でも、英語の授業で扱ったテーマがそのまま試験で出題されました。
また、小論文をただひたすら書くのではなく、一つの小論文を何回も繰り返し添削していただき書き直すというのも梅田先生の小論文の授業の特徴だと思います。
文章構成から言葉遣いに至るまで丁寧に添削していただいたので、自分の文章の問題点が分かりやすく、次に書く小論文ではその問題点を改善することが出来ました。
そして、生徒同士で小論文を読みあい先生に講評していただくことで新たな発見をすることも出来ました。

梅田先生のいない受験生活は考えられなかった

AO入試の対策をする上でもう一つ重要なのが、志望理由書の作成です。
正直、私は受験で一番この志望理由書の作成に苦労しました。
志望理由書にはこれまで自分が注力してきたことと、自分が将来やりたい事を明らかにして書く必要があります。
私は、自分がやりたい事は何となく決まってはいましたが、それは不透明で本当にそれがやりたいかと言われれば即答できるものでもありませんでした。
梅田先生はそんな私に何故それをやりたいのか、実現させるためにはどのような道筋を辿れば良いのかを聞き、少しずつ自分がやりたい事を明らかにして下さいました
そして、やりたい事に関する本や、人物を紹介していただき自分がこれまで知らなかった事を沢山知ることも出来ました。
こうして志望理由書を書いていくうちに自分がやりたいことを明らかにすることが出来、またそれによって受験に対するモチベーションも同時に上げる事が出来ました。

大学受験を終えた今、先生のいない受験生活は考えられないなあとつくづく思います。
先生には受験のサポートをして頂いただけではなく、これからの人生を生きていく上で必要な沢山のことを教えて頂きました。
梅田先生に出会っていなかったら今の私はいないと言える程、間違いなく先生は私の恩師です。
先生との出会いに感謝します。本当に有難うございました!