毎熊優介
慶應義塾大学総合政策学部
(1)人生と向き合ってくれる
「なぜ大学に行くのか」「大学で何を学びたいのか」
それを明確にしていくところから梅田先生との対話が始まります。
そもそも本当に大学に行く必要があるのか。
親に言われたからというくだらない理由は排除して、受験勉強をしている目的を見失わないようになります。
さらに、自分の夢や理想像を真剣に聞いてくれます。
(当時の俺の将来の話を真剣に聞いてくれる大人は親を除くと梅田先生以外にはいなかった笑)
(2)個々人に合わせた自学習カリキュラムは重要なものばかりで、アドバイスが丁寧
私が高校三年生の時、梅田先生は長文読解の授業を持っていました。
英文は単語と文法が理解できれば大体の意味がわかるもので、先生は基礎の確認を怠りませんでした。
単語は毎回テストをしていたし、私のような基礎もできていなくて成績の振るわない者には個人的に文法のドリルをやるように勧めてくれたり、個々人に合わせたアドバイスを怠らない印象を持ったことを記憶しています。
アドバイスの丁寧さもあり、なぜ今それをやるべきなのかを可能な限り説明してくれました。
ただ機械のように言われたことをするのではなく、理解した上で生徒が自分で判断して行動できるという自主性を重んじられる部分も特徴かと思います。
(3)受験勉強の本質を突き詰めている =「サイエンス」「リベラルアーツ」「ディスカッション」
受験のための勉強において本質的で重要だと思ったアプローチは、他の先生がやっていない試みをどんどん取り入れていた印象を受けました。
その極め付けが 「サイエンス」「リベラルアーツ」「ディスカッション」の三つだと思っています。
大学受験の英語は、大学生になった際に英語の文献が読めるボーダーラインとして大学教授が出題するものであるので、小説等一部の例外を除くと科学情報誌や学術論文からの出題がほとんどです。
ですので、「科学の王道アプローチ」と「論文の文章構成原則(論文の書き方)」というのを理解するのが英文を理解するのに必要不可欠なのです。
私は科学的アプローチ(サイエンス)の基本を教えてくれる予備校講師は、梅田先生以外には会ったことはありません。
次に「リベラルアーツ」ですが、大学生になると誰でも知っている(べき)知識というのがあります。
例えばパブロフの犬やポパーの反証などいわゆる基礎知識なのですが、これは高校では習わないのに大学受験の英文では頻出です。これらの論文がそっくりそのまま出なかったとしても試験に用いられる高尚な論文は書き方がある程度決まっているもので、かなりの応用が効くと思います。
最後に「ディスカッション」です。
梅田先生の授業では主体的に考えることを大切にしているので答えを提示する前に生徒同士でディスカッションを行います。
社会人になってからはもちろん、大学の授業でもディスカッションは頻繁に行います。
とすれば大学生になるための準備期間としての受験期に同じアプローチを取るのは当たり前の流れですが、一般的な英語の授業ではディスカッションが行われている光景をあまり見ることはありませんでした。
(他の先生とは異なる授業スタイルに当時は邪道だと思っていましたが、むしろ今では梅田先生の授業スタイルの方が自然なアプローチに思います。)