吉田 乙環 青山学院大学 [地球共生学部]

授業を受ける前

私が本格的に進路について考え始めたのは、高校2年生の後期を過ぎてからのことでした。というのも、私は高校2年の夏までカナダに留学しており、大学受験について真剣には考えていませんでした。帰国してしばらくは、自分がどのように進路を決めていけばいいのかわからず、周囲の友人たちが受験勉強を本格的に始める中で、どこか取り残されているような焦りもありました。
ただ一つ、自分の中でずっと変わらずあった思いがあります。それは、「貧困の中で苦しんでいる人々を助けたい」という思いでした。カナダでの生活や、帰国後に参加したNPOの講演などを通して、世界には生きるために必死な人々がいるという現実を知り、またその現実を変えることは私たち一人ひとりの選択によるものだと知りました。「将来は、国際協力に携わる仕事がしたい」。その思いが、自分の軸になっていきました。

なぜ梅田先生の授業を受けようと思ったのか

そんな中で出会ったのが「Biden塾」でした。父の仕事の関係で梅田先生を紹介していただいたのがきっかけです。初めてカフェで会った時に、私は自分の将来への思いや、カナダでの経験、そして日本で感じた差別のことなどを話しました。梅田先生はそれを一つ一つ丁寧に受け止めてくださり、「君が学びたいことを実現できる大学や学部は、きっとある」と言ってくれました。その言葉に背中を押され、「ここでなら、自分が思い描いていることを実現できるかもしれない」と感じ、入塾を決めました。

実際に授業を受けてみて

私が受験に用いたのは、一般的な推薦入試とは少し異なる「キリスト教同盟校推薦」という制度でした。この制度は、キリスト教への理解度や信仰、教会での生活などが重視されるため、小論文にもキリスト教に関する深い知識が求められます。そうした特殊な内容に対応できる学校や塾は限られており、正直なところ、対策には大きな不安がありました。

しかし、梅田先生はその不安を一つひとつ取り除くように、模範解答を作成してくださったり、出題が予想される聖書のテーマについて、わざわざ予想問題まで用意してくださったりと、信じられないほど私のために時間を割いてくださいました。また、試験前日の夜遅くまで私が分からない問題を解説して、一緒に解いてくださいました。そのおかげで、問題内容への理解も深まり、自信を持って本番に臨むことができました。

また、小論文の授業では、もともと苦手だった日本語での表現を一から丁寧に指導してくださいました。単に文章を書くのではなく、「なぜそのような言葉を使うのか」「本当に相手に伝わる表現になっているか」といった視点を意識することで、文章に深みが出てくることを実感しました。何度も書き直し、フィードバックを重ねる中で、自分の考えを自分の言葉で的確に伝える力が身についたことは、受験にとどまらず、これからの人生においても大きな財産になると感じています。

また、塾の中で私にとって特に印象深かったのが「キャリア探求」という授業です。ここでは、自分の生い立ちやこれまでの人生を振り返り、自分がどんなことに価値を感じてきたのか、何が得意で、何をしたいのかを掘り下げる時間がありました。何気なく過ごしていた日々に意味のあったものだということに気づかされ、自分の中の軸がはっきりと見えてきました。そのおかげで、「私はこの大学、この学部で学びたい」という明確な意思を持って受験をすることができました。

今、こうして青山学院大学に合格し、新しい学びの場ができたということは、間違いなくBiden塾での日々があったからです。梅田先生は、私のように特別な制度で受験する生徒にも、親身に向き合ってくださいました。心から感謝しています。

これからは大学で、国際協力や社会課題への理解をさらに深め、実際に困っている人たちのそばで手を差し伸べられるような存在になれるよう、努力を重ねていきたいと思います。